少子化
日本をはじめ多く の国が抱える共通の課題が「少子高齢化」
現在、高齢化率25.1%の日本はすでに超高齢社会。
そもそも高齢化率とは総人口のうち高齢者人口が占める割合のこと。仮に高齢者人口に比例して総人口が増えていれば、この割合は変わりません。そう考えると、高齢化の原因は高齢者人口の増加だけではないことがわかります。
それでは総人口はというと、今の日本の合計特殊出生率は2013年時点で1.43となっており人口を維持するための水準2.07を下回っていますから、当然総人口は減りつつあります。高齢化とは「高齢者人口の増加」と「総人口の減少」がセットになって初めて起きる現象。そして総人口減少の原因はこの「少子化」にあったようです。なぜ近年の日本ではここまで少子化が進んでしまったのでしょうか?
少子化の大きな要因は、未婚・晩婚・晩産
1950年頃の女性は、20代前半なら約半数、30代ともなれば9割以上の方が結婚していました。ですが近年女性の未婚率は上昇し、特に30代未婚率は当時の4倍以上になっています。日本では未婚で出産する人は2%程度ですので、この未婚率の上昇が少子化の1つの要因につながっていると言えるでしょう。
そしてもう1つが、晩婚化とそれにともなう晩産化傾向。1950年当時の女性の平均初婚年齢は23歳、第1子平均出生年齢は25歳でした。それが2012年の平均初婚年齢は29歳。1人目の子どもを産む年齢が上がれば上がるほど、その後続けて2人目3人目を産む人の数は減っていきます。
未婚・晩婚・晩産化を産んだ社会背景とは?
どうやら、ここ最近の未婚・晩婚・晩産傾向が少子化につながったといえそうですね。それではその背景にはさらに何があるのでしょうか?
まずはフリーターなどの非正規雇用者の増加。経済的に自信が持てない若者は、なかなか結婚・出産に踏み切れません。そして核家族化によって子育て世代が親世代のサポートを受けにくくなったことも、結婚や出産をためらう原因になっているようです。とはいえ、ほとんどの若者に結婚願望がないわけではありません。実は内閣府の調査によると、未婚男女の7割以上が「結婚したい、でもできない」と考えているのです(「家族と地域における子育てに関する意識調査報告書」より)。
近頃は少子化対策として手厚い子育て支援を行う自治体も増えてきました。でも、本当に急がれているのは若者が安心して家庭を持てるような生活基盤を整えること。つまりは雇用問題にもつながっていく話です。そして親世代子世代ともに孤立しがちな現在の家族の在り方についても、考え直す時期が来ているのかもしれませんね。